2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経膠芽腫の浸潤能獲得における増殖因子を介したArf6活性機構の解析
Project/Area Number |
20791015
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
森重 真毅 Oita University, 医学部, 助教 (60381050)
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Keywords | 神経膠芽腫 / 浸潤 / 増殖因子 |
Research Abstract |
脳腫瘍において、臨床的に悪性度を規定しているものは、その浸潤能にある。そこで、浸潤過程のできるだけ根幹を成す分子の候補として、分子量G蛋白質であるArf6の解析を分子生物学的手法により検証した。 具体的にはArf6及びArf6制御因子に対するsiRNAを神経膠芽腫細胞株に導入し発現を抑制させた場合の、in vitroでの浸潤能(Matrigel透過性)・接着能・運動能の詳細な評価、及びArf6制御分子であるAMAP1の相互作用のインターフェースに作用するpeptide及び低分子化合物の効果として浸潤能を評価した。 Arf6及び制御分子の蛋白質の発現は、神経膠芽腫細胞株のIn vitroでの浸潤活性と相関することを確認した。Arf6及びArf6制御因子に対するsiRNAによって神経膠での浸潤能(Matrigel透過性)は抑制され、接着能・運動能には影響を与えなかった。AMAP1の相互作用のインターフェースに作用するpeptide及び低分子化合物によっても神経膠芽腫細胞株の浸潤能は抑制された。従って、Arf6を介した分子メカニズムはGlioblastomaの浸潤においても特異的に機能している可能性が高く、新たな分子標的となりうることが示唆された。 次年度、臨床サンプルでの蛋白発現の評価など、更に詳細に検討を重ねていく予定である。
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