2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791016
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
西村 文彦 Nara Medical University, 医学部, 助教 (70433331)
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Keywords | 脳腫瘍 / 養子免疫療法 / 樹状細胞 / 長期免疫 / インターフェロン |
Research Abstract |
マウス脳腫瘍モデルを用いた免疫治療の検討を行うことにより、臨床治験に役立つ基礎的データを集積することが本研究の目的である。方法としては、まずin vitroでovalbmin(OVA)を発現しているmouse melanoma cell line(M05)を培養し腫瘍細胞を準備した。C57BL/6系マウスに定位的に上記で準備したMO5を脳内に注入しマウス脳腫瘍モデルを作成した。一方で養子免疫療法のための腫瘍抗原特異的リンパ球を準備した。培養中に様々なサイトカインを加えてinterferon gammaを分泌するtype I cytotoxic T cell(Tcl)に3-4日間で誘導し、上記脳腫瘍モデル作成6-7日後に静脈投与した(養子免疫療法)。腫瘍内投与するための樹状細胞(DC)は、C57BL/6(H-2^b)系マウスの骨髄細胞から採取培養を行なった。腫瘍モデル作成後、5日目に腫瘍内へDCを定位的に投与し、翌日に養子免疫療法として、Tclを静脈投与した。 結果として、腫瘍内に樹状細胞を投与することにより、腫瘍抗原をリンパ球に抗原提示し、かつ樹状細胞から分泌される様々なサイトカインにより腫瘍内からケモカインがより多く分泌され、静脈投与されたリンパ球がより効率的に遊走・集積し腫瘍細胞を攻撃する結果が得られた。また有意に脳腫瘍モデルマウスの生存期間が延長した。長期生存したマウスに再度腫瘍を脳内へ移植しtumor re-challengeを行ったところ、樹状細胞投与群では、さらに生存期間が延長した。Tclも腫瘍内へ長期にわたり作用していることがわかった。 このことから脳腫瘍モデルマウスに対して樹状細胞やリンパ球投与といった免疫治療を行うことは、将来的にも臨床の場で効果的な治療法となる可能性がある。また本研究の成果は、脳腫瘍患者のみならず、他の癌患者にも、応用できるものと考えられる。
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Research Products
(4 results)