2008 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質由来オリゴデンドロサイト前駆細胞の分化多能性と移植後における動態解析
Project/Area Number |
20791017
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
奥田 洋明 Nara Medical University, 医学部, 助教 (40453162)
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Keywords | オリゴデンドロサイト前駆細胞 / 再生医療 / 神経前駆細胞 |
Research Abstract |
平成21年度は以下の2点を行った。 1. ダブルTGマウスの作成 2. 大脳皮質損傷後における01ig2陽性細胞の動態 ダブルTGマウスはOlig2を一過性に発現した細胞をその後、長期間にわたりGFPでマーキングすることが出来る。このマウスを用いて大脳皮質損傷後におけるOlig2陽性細胞の動態を解析した。 大脳皮質損傷直後において損傷周囲に分裂能を持つ細胞が増殖するが、それらの細胞はOlig2(及びGFP)陽性細胞であった。これらGFP陽性細胞の分化の動態を解析すると、大部分の細胞はアストロサイトのマーカーであるGFAPやsloobと共陽性であった。この結果から、大脳皮質損傷時においてOlig2陽性細胞はオリゴデンドロサイトではなくアストロサイトに分化していることが明らかとなった。この成果を論文として報告している(Kouko T. et.al., 2008, Journal of Neuroscience Research)。 Olig2陽性細胞は発生・発達期において神経細胞およびオリゴデンドロサイトに分化することが報告されているが、さらに今回の結果より大脳皮質損傷時においてアストロサイトにも分化することが判明した。これらのことから、Olig2陽性細胞は多分化能を持つ細胞であり、周囲の環境により分化が制御される可能性が考慮される。 現在、大脳皮質よりOlig2陽性細胞を単離し、培養条件を検討している。条件が確立しだい移植の実験を行う予定である。
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