2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本人脳モデル作成、MRIによる脳形成異常の統計解析、臨床応用
Project/Area Number |
20791018
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
田村 学 Wakayama Medical University, 医学部, 助教 (80453174)
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Keywords | 脳Gyration / 日本人脳正常MRI / 脳回ラベリング / 日本人脳標準化 |
Research Abstract |
平成20年度、てんかん原性のない日本人脳のGyrationの解析を目的として、標準化に向けた脳MRIの収集に向けた活動を主に行った。これは当初の計画通りに正常脳のボランティアを募る予定とした, それに先立ち、正常脳の収集に関する和歌山県立医科大学内の倫理委員会の承認を得た(承認番号559、平成20年6月20日)。後に、MRIの使用施設との交渉を行い、技師や医師への説明、研究のためのMRIの特殊なシマクエンスのテスト撮影を5名に対して行い、共同研究者J-F Mangin、J Regisとの協議を経てホランティア脳の収集のための準備を構築した。実際のうち合わせについては20年8月にフランスのオルセー、マルセイユの2都市において会議を行った。日本に戻った後、-正常脳のMR工収集を開始した。平成20年度における実績は、男性15名、女性19名とほぼ予定に達しつつあるが、前向き研究による収集のため本当に必要な正常脳の数が男性25名、女性25名に設定している。この理由から、男性30名、女性30名のMRI収集を目標に設定し直した。実際に、正常脳のモデルに使用できない可能性のある脳が、男性2名、女性2名に発生しているためこの修正は妥当であると考えている。正確な脳回のラベリングに関しては脳研究として日本人脳に関する発表が皆無であるので慎重かつ迅速に行い、臨床応用に役立てる目的で非常に意義高いものと考えている。このデータ収集が基になり、日本人脳の標準化を図ることを最重要課題と思われる。なお、日本人脳研究に関して、左利きや右利きに関する情報、性別の情報などは収集されており、研究の波及効果も期待されるものと考えられる。 脳神外科臨床での応用にしては脳外科手前に脳回や脳溝の解剖を基にして術前や術中の位置情報確認による手術補助の有用性の指摘、術後の適正切除の評価方法などが確立されつつある。
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