2009 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍における光感受性物質の放射線感受性増強効果の検討
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20791024
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
山本 淳考 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 講師 (80461565)
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Keywords | 悪性脳腫瘍 / 光線力学診断 / 光線力学療法 / 放射線治療 / イメージング / グリオーマ / 5-アミノレブリン酸 / フリーラジカル |
Research Abstract |
昨年度より継続し、極めて難治性である悪性脳腫瘍(グリオーマ)に対し、光感受性物質の放射線感受性増強効果を検討してきた。我々は、すでに、光感受性物質としてすでに臨床応用されている5-aminolevulinic acid(以下5-ALA)を使用し、ラットグリオーマ細胞株(9LおよびC6)を用いて、放射線照射単独と比較し、放射線照射と光感受性物質(5-ALA)を併用することにより、より強い殺細胞効果が誘導されることが証明した。しかしながら、より効果的な放射線照射方法、殺細胞のメカニズムなど不明な点が多い。光線力学療法(photodynamic therapy : PDT)の場合は、活性酸素(一重項酸素)の発生量の観点から光照射強度が極めて重要であることを我々はすでに証明している(Yamamoto et al,Clin Cancer Res,2006)。今回、同様のグリオーマ細胞株を用い、放射線の照射強度を2群(高密度0.54Gy/minおよび低密度0.07Gy/min)に分けて殺細胞効果の検討を行った。いずれの群においても、放射線単独より、5-ALAで処理を行った場合は、前回の研究結果と同様に、強い殺細胞効果が得られたが、照射強度において有意差は見られなかった。このことは、5-ALAの放射線感受性増強効果は、PDTにおけるレーザー照射にて得られる殺細胞効果とは異なる機序が推測される。 今回の実験では、照射強度のみ着目し検討してきたが、実際の臨床では、分割照射および定位的照射といった様々な照射方法が行われている。至適照射方法、細胞死のメカニズム、細胞浸潤に対する効果など、まだ不明な点が多く、来年度も継続し、この点を重点的に解明していく予定である。
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Research Products
(1 results)