2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨肉腫細胞における自己分泌型細胞運動刺激因子と骨形成関連分子の相互作用の解析
Project/Area Number |
20791026
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
柳川 天志 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 助教 (40400725)
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Keywords | 自己分泌型細胞運動刺激因子 / AMF / 骨肉腫 / 糖代謝 / FDG-PET / GLUT / グルコーストランスポーター |
Research Abstract |
平成20年度は前年度に行った温熱刺激を骨肉腫細胞に与える実験のデータを用いて研究を進めた。自己分泌型細胞運動刺激因子(autocrine motilitv factor以下AMF)は温熱刺激により発現は減弱した。またDNAマイクロアレイにて遺伝子の発現変化を比較し、温熱刺激に特異的と考えられる遺伝子をいくつか検出した。骨形成関連遺伝子の発現が認められ、これらの転写因子とAMFの関連が示唆された。AMFは糖代謝に関わる分子phosphoglucose isomerase(PGI)と相同な蛋白であることが知られている。このためin vivoで細胞や組織の糖代謝を調べられるFDG-PETを用いて様々な骨腫瘍細胞の糖代謝を調べた。糖を細胞内に取り込む分子としてグルコーストランスポーター(GLUT)が知られているがそのアイソザイムの発現を調べ、各腫瘍における糖の取り込みに重要なGLUTアイソザイムをいくつか確認した。また、骨形成関連分子の上昇とFDG-PETによる腫瘍細胞の糖代謝との関連も調べ、これらについてもいくつかの知見を得た。GLUTのうち骨腫瘍細胞の糖取り込みに重要と思われたアイソザイムを培養骨肉腫細胞に導入、あるいは抑制する実験を行いいくつかの知見を得た。また化学療法の前後での手術材料を用いて骨肉腫細胞のAMF発現、FDG-PETで評価された糖代謝などの因子と生命予後の関連の解析を行った。輿味深いことに化学療法後のAMFの発現と糖代謝は生命予後と相関していたものの、化学療法前のデータと生命予後との相関は認められなかった。
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