2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨リモデリングと破骨細胞形成における骨形成因子の機能の解析
Project/Area Number |
20791033
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡本 美奈 Osaka University, 医学系研究科, 特任研究員 (50457008)
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Keywords | 骨形成因子 / コンディショナルノックアウトマウス / 破骨細胞 |
Research Abstract |
骨形成因子(BMP)は骨代謝に重要なタンパクであり、骨組織を構成する各細胞についてその特異的機能を明らかにすることが重要である。BMPの骨芽細胞に対する機能は広く調べられているが、BMPの破骨細胞に対する機能については、未だ十分には明らかにされていない。BMPシグナルの破骨細胞における作用メカニズムを解明するため、昨年度作製した、破骨細胞特異的にIA型BMP受容体遺伝子を抑制したCtsk Cre/+;Bmprla flox/floxコンディショナルノックマウス(CKO)とコントロールマウス(Ctsk Cre/+;Bmprla+/+)の解析を行った。生後2日のマウスの脛骨組織において、抗cre recombinase抗体(500倍希釈)の免疫染色を行い、CKOマウスでは、破骨細胞特異的にCre recombinaseタンパクが発現しており、IA型BMP受容体遺伝子が破骨細胞特異的にノックアウトされていることが示唆された。また、破骨細胞の形成能を調べるため、脾細胞を用いてM-CSFとRANKL存在下で単培養を行った。コントロールマウスと同様にCKOマウス由来の脾細胞から破骨細胞形成は誘導され、骨吸収活性を評価する上で重要なアクチンリングも観察された。TRAPやMMP9などの破骨細胞マーカー遺伝子発現も認められた。さらに、コントロールマウスのcalvaria由来の培養骨芽細胞と、コントロールマウス及びCKOマウスの脾細胞を用いて其々VitaminD_3存在下での共存培養を行った結果、どちらの場合も破骨細胞は誘導された。よって培養下では破骨細胞の形成能が比較的保たれていることが判明した。また、8週齢マウスを用いて骨形態計測を行った。その結果、CKOマウスではコントロールマウスと比較して、破骨細胞数及び骨吸収面は減少しており、骨量は増加していた。以上の結果から、破骨細胞におけるBMPシグナルは、骨組織の形成維持に重要な役割を担っていると考えた。
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