2009 Fiscal Year Annual Research Report
変形性膝関節症の関節軟骨におけるmiRNA-146の発現
Project/Area Number |
20791044
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中佐 智幸 Hiroshima University, 病院, 病院助教 (60467769)
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Keywords | 病理学 / 再生医学 / 細胞・組織 / 生体分子 / 臨床 |
Research Abstract |
目的 近年、ゲノム遺伝子の転写後発現調節にマイクロRNAが関与することが新たに示され、ヒトの様々な疾患に関与していることがわかってきた。我々の研究結果から、miR-146は、IL-1βによりその発現が誘導され、変性の進行している初期の変形性関節症 (OA) 軟骨で強く発現していることが示され、miR-146は、OAにおける初期の軟骨変性に関与している可能性があることが示唆された。miR-146は、炎症反応の抑制するといわれており、OA軟骨にmiR-146を過剰発現することで、軟骨変性の進行を抑制できるか検討した。 方法 8週齢のマウスの膝関節における内側側副靭帯、内側半月板、前十字靭帯靭帯を切離し、OAモデルマウスを作製した。靭帯を切離し、2週間後に合成2本鎖miRNA-146(10μg)をアテロコラーゲン10μ1に溶解し、関節注射した。対照群として、非機能性の合成2本鎖siRNAを同量関節注射した。2週間後、膝関節を摘出し治療効果を検討した。 結果 OAモデルマウスに合成2本鎖miRNA-146を関節注射したが、明らかにOA進行が抑制されることはなく、対照群と同程度のOA変化を認めた。 考察 本研究結果から、合成2本鎖miRNA-146の関節注射では明らかな効果を認めなかったが、投与量、回数など、さらなる投与方法の検討等を行っていく必要があると思われた。
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