2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞接着因子の操作による慢性期脊髄損傷治療法の開発
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20791045
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 秀典 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30393432)
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Keywords | 脊髄損傷 |
Research Abstract |
(研究の方法) 基礎データの収集として、in vitroにて神経系細胞の培養を行い、濃度調整を行ったCompound Aを添加した培養液中で培養を行う。神経系細胞の動態を把握し、最適な投与濃度を把握する。 次にこれまでと同様の手法にて、脊髄損傷ラットを作成し、コラーゲンフィラメント移植と並行して腹腔内に留置した浸透圧ポンプに充填されたCompound Aの持続投与を行った。最終的に組織学的、電気生理学的、行動学的な評価を行った。 (研究の方法) 基礎データの収集として、in vitroにて神経系細胞の培養を行い、濃度調整を行ったCompound Aを添加した培養液中で培養を行う。神経系細胞の動態を把握し、最適な投与濃度を把握する。 次にこれまでと同様の手法にて、脊髄損傷ラットを作成し、コラーゲンフィラメント移植と並行して腹腔内に留置した浸透圧ポンプに充填されたCompound Aの持続投与を行った。最終的に組織学的、電気生理学的、行動学的な評価を行った。 (研究成果) In vitroでの検証では、神経前駆細胞はCompound Aの濃度依存性にグリア系細胞への分化・誘導が促進された。また濃度依存性に神経突起の伸長促進を認めた。またグリア系細胞のうち、アストログリアへと分化する傾向を認めた。神経系細胞への毒性などは示さなかった。 Vivoの移植・投与実験結果は、こうしたvitroでの結果を反映したものとなると予想していたが、結果としては修復をおこなった脊髄部分に対し、旺盛なfibroblastsの進入が周囲組織から生じる結果をCompound A投与が招く結果となっていた。神経系組織の軸索伸展作用には大きく貢献していたものの、脊髄を横断するような形での瘢痕組織の進入も併せて生じていたため、結果としては不十分な機能回復、組織学的な回復しか得られなかった。今後は、周囲瘢痕の進入防止のために、修復脊髄部の周囲を被覆したり、遺伝子操作による、神経系組織特異的に作用するような薬剤操作が必要となると考えて、現在さらなる研究を推し進めている。
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