2009 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞分化制御におけるRANK ectodomain sheddingの役割
Project/Area Number |
20791051
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
箱崎 彰裕 Keio University, 医学部, 研究員(非常勤) (10365299)
|
Keywords | 破骨細胞 / receptor activator of NF-KB (RANK) / TACE / ADAM17 / ectodomain shedding |
Research Abstract |
【研究の目的】骨は一見静的であるが、その形成・吸収が絶えず営まれている活動的な臓器である。骨芽細胞がこの骨形成の中心的な役割を担う一方、骨吸収は破骨細胞によって制御されていることが知られている。本研究の目的は、破骨細胞分化に必須の受容体であるRANKの翻訳後発現および機能調節に対する、ectodomain shedding(膜型蛋白質が蛋白質分解作用により切断され放出される機構。以下、shedding)の関与とその機能を検討・解明することである。【方法および結果】細胞膜上に発現したRANKはそのリガンドであるRANKLを添加することにより、sheddingを受け細胞外領域が放出されること確認した。さらにこのRANKの切断にて産生された可溶型RANKがin vitroの破骨細胞分化系に対して負に作用することを見出した。このRANKに対するshedding活性はTNFα converting enzyme (TACE)欠損細胞で著しく低下しており、このことからTACEがRANKの主要な切断酵素であると考えられた。また興味深いことにTACEを欠損した破骨細胞前駆細胞において、RANKL刺激による破骨細胞分化が、野生型細胞と比較して亢進していることが観察された。このことからTACEはRANKに対するsheddingを介しRANKの発現量を減少させ、RANKからのシグナルを抑制することにより、破骨細胞分化を負に制御していると推測された。【結語】破骨細胞分化過程においてTACEによるRANKのsheddingが、RANKL-RANKシグナルのネガティブフィードバック機構として機能する可能性が示唆された。
|
Research Products
(3 results)