2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗侵害作用および麻酔における内在性カンナビノイド2-AGの役割の解明
Project/Area Number |
20791066
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
ANDREY PETRENKO Niigata University, 医歯学系, 助教 (30397153)
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Keywords | 内在性カンナビノイド / モノアシルグリセロールリパーセ / 欠損マウス / 麻酔作用 / 抗侵害作用 |
Research Abstract |
内因性カンナビノイドである2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)は脳内に高濃度で存在し、カンナビノイド受容体の天然リガンドとみなされている。しかし、その2-AGの麻酔における役割は現在分かっていない。2-AGは体内でモノグリセリドリパーゼ(MGL)という分解酵素によって代謝される。本研究ではMGL欠損マウスを用い、そのマウスにおける吸入・静脈麻酔薬の作用を調べた。 吸入麻酔薬及び静脈麻酔薬の催眠作用を立ち直り反射の有無を調べる方法(LORR)で、吸入麻酔薬の不動化作用をtail-clamp法(最小肺胞内濃度、MACアッセイ)で調べた。欠損マウスでも、イソフルラン、セボフルランのLORRの中央有効量(LORR ED_<50>)及びMAC値、また笑気によるイソフルランのLORR ED_<50->及びMAC-sparing effbctには変化は認められなかった。プロポフォール、ペントバルビタール、ケタミンによる立ち直り反射喪失時間(スリープ時間)にも差はなかった。この結果から、麻酔薬催眠作用及び不動化作用は内因性カンナビノイド2-AGを必要としないことが示唆された。
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