2009 Fiscal Year Annual Research Report
コリン作動性神経による後根神経節における侵害受容性刺激伝達の調節機能
Project/Area Number |
20791068
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
J・P Bellier Shiga University of Medical Science, 分子神経科学研究センター, 助教 (80346022)
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Keywords | アセチルコリン / 後根神経節 / pChAT / 神経障害痛のラットモデル / acetylcholine / pain / neuropathic pain model / dorsal root ganglion |
Research Abstract |
従来、コリン作動性神経は哺乳類の後根神経節(Dorsal root ganglion ; DRG)では証明されていなかった。最近になって,アセチルコリン(acetylcholine ; Ach)の合成酵素(Choline acetyltransferase ; ChAT)に選択的スプライシングによるアイソフォ-ムが存在することがDRGのニューロンにおいて発見された。このアイソフォ-ムはpChAT(末梢性ChAT ; peripheral type of ChAT)と言う。また、pChATは、DRGで、唯一Achを合成する. 本研究の目的であるDRGにおけるpChATの機能的役割を明らかにするために、傷害痛のラットモデルの痛覚に対するAchの影響を検討した。 (1) 傷害痛のラットモデルのDRGにコリン作動性マーカーの発現が測定された。コリン作動薬があった時にコリン作動性マーカーの発現が変化する。この結果、pChATは侵害受容の調節機能の役割をもつことが明らかとなった。 (2) 生理機構を理解するために、アセチルコリンが関与している可能性がある代謝経路を調べる。 (3) 人間のDRGのコリン作動性マーカーの存在も調べた。そのために人間pChATの新たなモノクローナル抗体を作った。そのときに、人間の後根神経節で、同様のコリン作動性システムが発現した。これは、臨床的意義を持っている。
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