2009 Fiscal Year Annual Research Report
心筋虚血再潅流障害における水素ガスの抗酸化効果の検討
Project/Area Number |
20791082
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
古賀 寛教 Oita University, 医学部, 医員 (50468013)
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Keywords | 心筋虚血 / フリーラジカル / 電子スピン共鳴 / 水素 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒドロキシルラジカル消去作用を持つとされる水素について、各種再灌流障害に対する臓器保護効果を検討することである。そのためには、基礎研究を通して水素の投与法の検討、動物モデルにおける水素の保護効果の機序解明を行い、最終的には、臨床応用を見据えた安全で有効な投与法を確立することが必要である。 投与法に関して我々は、21年度を通して、吸入法と水素含有生理食塩水(水素水)の持続静廓内投与法の二つをラットモデルにおいて確立した。吸入法では、ベンチレーターを利用した調節呼吸下での投与が、最も確実で効率の良い投与法であるが、安全で有効な投与を遂行するためには、投与中の正確な水素濃度、投与量の調節が不可欠である。そこで、我々は本研究において、リアルタイムの水素濃度モニタリングが可能となる水素投与システム(サイドストリーム方式を用いた水素濃度モニタリング)を開発し、特許出願を行った(研究発表特許参照)。 また、もう一つの投与法として、安全で容易に水素を投与できる水素水を用いた基礎研究を行った。バブリングによる水素水の作成、経時的な水素濃度の変動を解析し、有効な投与速度、投与タイミングを検討した結果、ラットモデルにおいて、持続静脈内投与による腎虚血再灌流障害の軽減効果を見出した。この研究成果については、学会および論文発表(研究発表:雑誌論文、学会発表参照)を行い、社会に発信した。 こうした本研究の成果は、水素投与による各種疾患の治療戦略において大きな一歩であり、今後も各投与法のさらなる改良と、各種虚血再灌流障害における改善効果の機序解明に重点をおいて研究を進めていく。
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Research Products
(3 results)