2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791084
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
與那覇 哲 University of Miyazaki, 医学部, 助教 (70468023)
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Keywords | 麻酔薬 / 睡眠経路 / 脳神経核 / パッチクランプ |
Research Abstract |
静脈麻酔薬であるプロポフォール(P)を灌流投与(10^<-6>~10^<-3>M)すると隆起乳頭体結節核(TMN)の発火活動(活動電位の頻度および振幅の大きさ)は濃度依存性に抑制された。TMNの発火活動が抑制されるとともに膜電位は濃度依存性に低下した。PとともにGABA_A受容体拮抗薬であるGABAzine (10^<-3>M)を灌流投与すると上記の作用は認められなかった。このPによる過分極作用は、GABA受容体を介したCl^-電流の誘導によるものであった。同様に青斑核(LC)の膜電位はP投与(10^<-6>~10^<-3>M)によって濃度依存性に低下し、この作用はGABAzine (10^<-3>M)の同時灌流によって抑制された。この過分極作用もGABA受容体を介したCl^-電流の誘導によるものであった。同様に次にα_2受容体作動薬であるデクスメデトミジン(DEX)をLCの細胞に灌流投与(10^<-6>~10^<-3>M)した。膜電位は濃度依存性に低下をしめし、膜電流は外向きの電流が生じた。それは塩化バリウムの投与に抑制された。α_2受容体遮断薬のtertiapinを前投与するとその電流は抑制された。これよりDEXはα_2受容体を介してK電流を惹起することで膜電位を下げることが明らかになった。同様にDEXをTMNの細胞に投与(10^<-6>~10^<-3>M)すると。10^<-3>M投与群でのみ有意な膜電位の低下(5.2±1.6mV)を認め、LCに投与した時と比較して反応が有意に小さかった。次にNMDA受容体遮断薬であるケタミンをLC投与すると用量依存性に脱分極反応を示した。ケタミンによる内向き電流はNa^+イオンによるものだった。DEXおよびケタミンを腹外側視索前核(VLPO)に投与しても反応を認めなかったが、Pを投与するとGABA受容体を介してCl^-電流を惹起し、過分極作用を示した。その反応はLCやTMNよりも大きかった。
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