2009 Fiscal Year Annual Research Report
肺高血圧におけるVIPの機能解明と遺伝子治療への応用
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20791088
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
川上 裕理 Yokohama City University, 市民総合医療センター, 助教 (90407958)
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Keywords | 肺高血圧 / VIP / プラスミドベクター / 先天性肺疾患 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
原発性、二次性肺高血圧症による不可逆的な肺血管損傷は藤移植以外に根治療法はない。VIP等が次世代治療薬と期待されているが、肺循環における詳細な機能は不明である。本研究では肺高血圧症におけるVIPの機能、治療法への応用の検討のため以下の実験を行った。 ・ ラット肺高血圧モデル;モノクロタリン60mg/kg投与により作成。4週間後に右室圧/血圧比、右室/左室重量比より肺高血圧、右室肥大を来たしていることを確認した。 ・ Western blot analysis、免疫組織学的検討により肺高血圧ラット肺組織中のVIP受容体VPAC2発現量の有意な増加を認めたが、VPAC1は不変であった。またmRNA発現量も同様の結果であった。更に、PAC1受容体も不変であった。 ・ VIP, PACAPのmRNAはreal-timePCRで定量した。肺高血圧ラット肺組織中では低下していた。 肺高血圧の肺組織中においてVIP発現減少に対し代償的にVIP受容体VPAC2の発現が亢進していると推定された。この仮説を検証するためVIP補充により肺高血圧の治療効果の検討を行っている。 VIP発現プラスミドベクター作成;マウス、ラット脳組織からmRNAを抽出しcDNAを得、PCRによりVIPをクローニングし分泌型発現ベクターに組み込み作成している。今後in vivoでtransfectionさせ発現による効果を検討する。 以上の結果をAmerican society of Anesthesiologysts, Annual meeting 2009で発表した。
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