2008 Fiscal Year Annual Research Report
スタチン急性投与における内皮機能改善効果に及ぼす麻酔薬の影響
Project/Area Number |
20791090
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
丹下 和晃 Wakayama Medical University, 医学部, 助教 (70405471)
|
Keywords | スタチン / 一酸化窒素 / 吸入麻酔薬 / 一酸化窒素合成酵素 / Rho kinase |
Research Abstract |
スタチン急性投与培養内皮細胞モデル系を用いて、Rho-kinaseを介したスタチンの内皮機能改善作用に対するセボフルランの影響を検討することを目的とした。 ウシ大動脈内皮細胞に対し、スタチンの一つであるSimvastatinを暴露、あるいはSimvastatinとセボフルレンを暴露し、NO測定試薬であるDiaminofluorescein-FM diacetyl(DAF-FMDA)を取り込ませ、培養液中のNO産生量を、化学発光法を用いて測定した。測定器は当施設で現有のもの(Sievers NOAnalyzer 270B)を用いた。 直接細胞内のNOを計測するために、NO測定用蛍光試薬であるDAF-FMDA10μMで、培養細胞を負荷した。その後、リン酸緩衝液(コントロール群)あるいは10-6Mシンバスタチンを溶解したリン酸緩衝液(シンバスタチン群)、また各群をセボフルレン3.4%前処置のあるなしに分け、適用直後の輝度(FO)に対するリン酸緩衝液あるいはスタチン溶解液を適用5分後の蛍光色素の輝度(F)を比較検討した。 結果、ウシ大動脈内皮細胞において、シンバスタチン群でコントロール群に比ベ、FI/FOで表されるNO産生量は有意に上昇した。また今回は、セボフルレン前処置のあるなしでは、有意差は有意差は認められなかった。 以上より、ウシ大動脈内皮細胞においてシンバスタチンは細胞内NO産生を促進したことが分かった。またその効果はシンバスタチン適用後非常に早い時期にみられた。
|
Research Products
(1 results)