2009 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌におけるAKT-PI3K pathwayの解析と制御にむけての研究
Project/Area Number |
20791100
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
鶴田 大 Akita University, 医学部, 助教 (90466590)
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Keywords | 尿路上皮癌 / PTEN / PI3K-AKT / サイトカイン / RANTES |
Research Abstract |
秋田大学医学部分子生物学教室との共同研究により、膀胱上皮特異的PTEN欠損マウスには自然発症膀胱癌が生じ、また移行上皮は全体にhyperplasiaの状態にあり、BBNによる発癌誘発に対しても感受性が亢進していることが示された。また今まで行ってきたヒト膀胱癌検体を用いたPTEN染色の結果では表在性乳頭状癌や浸潤癌双方でPTENの発現低下が認められることから、PI3K-AKT"腫瘍形成"の初期のみならず、浸潤、転移に関しても関与している可能性があることをこれまで示唆してきた(Tsuruta et al.Cancer Res 2006)。この点をさらに明らかにするために、ヒト膀胱腫瘍検体や細胞株(T24、5637、J82、UMUC3、KK47、等)で、PI3K-AKT系に関連する抗体を用いて、免疫染色,ELISAなどを行ったところ、炎症性サイトカインの一種であるRANTESが膀胱癌の浸潤に関与している可能性が高いことが示唆されてきた。そこで膀胱癌検体や尿検体を用いた解析を行ったところ、膀胱癌患者では尿中RANTESの分泌量が多く、また膀胱癌組織ではその受容体であるCCR5の発現量が多いことが判明し、さらに膀胱癌の進行度との相関が認められた。よって、RANTES/CCR5が膀胱癌の進行度のマーカーとなる可能性があり、さらに研究を進める予定である。
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