2008 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌におけるジェムシタビン耐性克服を目的とした分子標的治療の基礎的研究
Project/Area Number |
20791108
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
村蒔 基次 Kobe University, 医学部・附属病院, 医員 (10448178)
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Keywords | 膀胱癌 / ジェムシタビン / 抗癌剤耐性 / 分子標的治療 / アポトーシス / in vivo study / Clusterin |
Research Abstract |
本研究の目的は、ジェムシタビン感受性ヒト膀胱癌細胞を用いて、Clusterinの過剰発現とジェムシタビン抵抗性が相関しているかどうかを検討することと、ジェムシタビン抵抗性を獲得した膀胱癌細胞に対しアンチセンスClusteirnが再びジェムシタビン感受性を付与することが出来るかどうかについては検討することであった。すでに樹立したジェムシタビン耐性膀胱癌細胞株UM-UC-3/Rは強力な抗アポトーシス作用を有するClusterinを6倍以上過剰発現していた。UM-UC-3/RをジェムシタビンとClusterinを標的とするアンチセンスオリゴOGX-011でin vitroにおいて投与を大行うとClusterinの発現レベルは濃度依存的かつ配列特異的に有意に抑制された。ジェムシタビンとOGX-011の併用によりin vitroでのIC50は100nMから10nMに著明に低下した。UM-UC-3/Rはin vivoでの膀胱同所移植モデルにおいて原発腫瘍体積および転移の頻度、程度がUM-UC-3母細胞と比して有意に増加することが分かったが、低濃度のゲムシタビンとOGX-011の全身投与によりUM-UC-3/R同所移植モデルにおいても有意に著明に原発腫瘍体積の低下と転移の頻度、程度が減少していることが観察された。さらにコントロール群と比して観察期間中での癌死率が有意に低下した。これらの所見はジェムザールに対して耐性獲得した膀胱癌細胞は強力な抗アポトーシス効果を有するClusterinを過剩発現するが、Clusterinを標的とするアンチセンスオリゴを併用することによりジェムシタビンの抗腫瘍効果を増強することを示唆するものである。
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