2008 Fiscal Year Annual Research Report
Aurora-Aを介する腎細胞癌及び前立腺癌の進展機構の解明および新規治療の開発
Project/Area Number |
20791109
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
熊野 晶文 Kobe University, 医学研究科, 医学研究員 (30457105)
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Keywords | 前立腺癌 / Aurora kinase |
Research Abstract |
Aurora-Aを標的としたsiRNA発現プラスミドベクターをヒト前立腺癌細胞株であるPC3に導入し、Aurora-A siRNA導入株(PC3/si)を樹立し,また、対照としてコントロールベクターのみを導入した細胞株(PC3/co)を樹立した。Aurora-A発現レベルの変化はPC3/siにおけるAurora-A発現がRNAレベルおよび蛋白レベルでPC3/coに比し抑制されていることを確認した。次いで、invitroにて細胞増殖能を評価し、PC3/siの増殖能がPC3/coに比し有意に抑制されていることを確認した。また、PC3/siのCisplatin、Docetaxel、Doxrubicinに対する抗癌剤感受性を評価し。そのうちCisplatinおよびDocetaxelにおいてPC3/coに比し抗癌剤感受性の亢進が認められ、なかでもDocetaxelに対してはより強い感受性亢進が認められた。次にin vivoにてヌードマウスに対し、PC3/siおよびPC3/coの皮下接種を行い、各々の腫瘍増殖能を評価したところ、PC3/siの腫瘍増殖能がPC3/coに比し有意に抑制されていることを確認した。また、DocetaxelをそれぞれPC3/siおよびPC3/coを接種したヌードマウスに投与したところ、PC3/co接種群に比しPC3/si接種群で有意な抗腫瘍効果が認められた。以上のことから、前立腺癌細胞のAurora-A発現抑制により、細胞の増殖能は低下し、さらにDocetaxelを併用することで、より効果的に前立腺癌細胞の増殖が抑制される可能性が示唆された。また今後、Aurora-Aを標的とした新規治療剤が開発可能であれば、実際に前立腺癌の化学療法に使用されているDocetaxelを併用することで、前立腺癌の進展を抑制する有効な治療法となり得る可能性が示唆された。
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