2009 Fiscal Year Annual Research Report
Aurora-Aを介する腎細胞癌及び前立腺癌の進展機構の解明および新規治療の開発
Project/Area Number |
20791109
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
熊野 晶文 Kobe University, 医学研究科, 医学研究員 (30457105)
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Keywords | 前立腺癌 / 腎癌 / Aurora kinase |
Research Abstract |
Aurora-Aを標的としたsiRNA発現プラスミドベクターをヒト腎癌細胞株であるCaki-2に導入し、Aurora-A siRNA導入株(Caki-2/si)を樹立し、また、対照としてコントロールベクターのみを導入した細胞株(Caki-2/co)を樹立した。Aurora-A発現レベルの変化はCaki-2/siにおけるAurora-A発現がRNAレベルおよび蛋白レベルでCaki-2/coに比し抑制されていることを確認した。次いで、in vitroにて細胞増殖能を評価し、Caki-2/siの増殖能がCaki-2/coに比し有意に抑制されていることを確認した。また、Caki-2/siのCisplatin、Docetaxel、Etoposide、Doxrubicinに対する抗癌剤感受性を評価した。何れの抗癌剤においても、Caki-2/siはCaki-2/coに比し抗癌剤感受性の亢進が認められ、なかでもDocetaxelに対してはより強い感受性亢進が認められた。以上のことから、腎癌細胞のAurora-A発現抑制により、細胞の増殖能は低下し、さらにDocetaxelを併用することで、より効果的に腎癌細胞の増殖が抑制される可能性が示唆された。また今後、Aurora-Aを標的とした新規治療剤が開発可能であれば、Docetaxelと併用することで、従来ならば効果が不十分である化学療法の効果が期待でき、腎癌の進展を抑制する有効な治療法となり得る可能性が示唆された。
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