2008 Fiscal Year Annual Research Report
マウスモデルを用いたバルプロ酸による前立腺癌予防、治療に関する研究
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20791112
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大仁田 亨 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50452850)
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Keywords | 前立腺癌 / マウスモデル / バルプロ酸 / 化学予防、治療 |
Research Abstract |
前立腺特異的に発現するβ-MSP/PSP94遺伝子のプロモーター/エンハンサー領域に発癌遺伝子SV40T抗原を導入したノックインマウスを飼育、交配を継続的に行い、マウスの増殖を行った。成長したマウスは、PCRでスクリーニングし、癌遺伝子SV40T抗原の導入の有無を確認し、陽性マウスのみ飼育を続行している。また、老齢マウス(52週齢以降)のマウスを解剖し、前立腺癌が発症していることを確認している。 さらに、前立腺癌が発症する週齢のマウスをバルプロ酸投与群とコントロール群に分け、投与群にはバルプロ酸の投与を開始している。週齢の経過とともにマウスを解剖し、投与群とコントロール群の間で前立腺癌のサイズの差を検討していくとともに、摘出標本をホルマリン固定、パラフィン包埋し、HE染色における組織学的所見の差について比較検討していく予定である。増殖抑制効果が見られた場合は、バルプロ酸の抗腫瘍効果の機序として考えられているアポトーシス誘導、血管新生抑制などに関与するさまざまな遺伝子発現の差につき、免疫染色での検討も計画しているところである。増殖抑制効果が見られない場合は、投与量を増加させるなどの調整を考えている。また、同時に性成熟後のマウスに対してもバルプロ酸投与群とコントロール群に分け、バルプロ酸投与を開始し、前立腺癌発症までの間の一定の週齢ごとにマウスを解剖し、前立腺癌発症の時期、程度などを比較することにより、バルプロ酸の前立腺癌発症予防効果の有無を肉眼的、組織学的に検討していく予定である。
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