2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト外尿道括約筋におけるマイオスタチンの関与とその抑制による筋再生についての研究
Project/Area Number |
20791113
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
住野 泰弘 Oita University, 医学部, 助教 (30325716)
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Keywords | 外尿道括約筋 / 筋衛星細胞 / マイオスタチン / 腹圧性尿失禁 |
Research Abstract |
微量採取したヒト外尿道括約筋を抗NCAM抗体結合させた磁気ビーズを用いてMACS法に筋衛星細胞を分離、骨格筋特異転写因子(Myf-5とMyoD)の免疫染色を行い横紋筋由来であることを確認後にSV40virusのlarge T抗原を遺伝子導入して長寿化し、これらの長寿化外尿道括約筋細胞を用いて(1)Myostatinによる増殖抑制テスト及びFollistatinを用いた増殖抑制阻害テスト、(2)RT-PCRによるMyostatinの発現、(3)TGF-β superfamilyにおける主要なシグナル伝達経路であるsmad-2のリン酸化、について検討した。 (1)Myostatinによる増殖抑制テストでは10%FBS含有F-10培地においてMyostatinはヒト外尿道括約筋衛星細胞の細胞増殖を濃度依存的(0.1μg/ml)に有意に抑制した。またMyostatinの競合的阻害因子であるFollistatin投与によりヒト外尿道括約筋衛星細胞は増殖を促進したがMyostatin無添加群とMyostatin添加群ではその増殖能に有意な差を認めなかった。 (2)ヒト外尿道括約筋衛星細胞におけるMyostatinのautocrine作用の検討も試みた。RT-PCRではヒト外尿道括約筋衛星細胞はMyostatinを発現していた。 (3)シグナル伝達における検討ではMyostatinは添加15分後にはsmad-2のリン酸化を亢進したが120後にはリン酸化は元のレベルまで戻っていた。FollistatinによるMyostatinの阻害の検討ではFollistatin100μg/mlではMyostatain添加群のsmad-2のリン酸を有意に抑制した。 今後は外尿道括約筋の筋衛星細胞にMyostatinのレセプターであるアクチビンType II bレセプターが発現しているかを組織レベルで確認したい。また外尿道括約筋筋衛星細胞におけるmyostatinのsiRNAによる増殖、分化の抑制をfollistatin投与群と比較検討し、この結果をin vivoで証明すべく実際にラットの外尿道括約筋損傷モデルを作成しfollistatin、及びsiRNAを局所投与して筋再生が認められるかを検討したい(実際に現在ラットの外尿道括約筋損傷モデルを作成中である)。
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Research Products
(3 results)