2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト外尿道括約筋におけるマイオスタチンの関与とその抑制による筋再生についての研究
Project/Area Number |
20791113
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
住野 泰弘 Oita University, 医学部, 助教 (30325716)
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Keywords | 外尿道括約筋 / 筋衛星細胞 / マイオスタチン / 腹圧性尿失禁 / プロテオーム |
Research Abstract |
1. ラット外尿道括約筋損傷モデルの作成 メスSpraque-Dawley (10-14W)の外尿道括約筋部に熱損傷を加えて外尿道括約筋損傷モデルの作成を試みた。Leak pont pressure測定では正常群と外尿道括約筋損傷群で有意差は認められず損傷モデル作成手順、および測定方法の改善が必要であると思われる。具体的には熱損傷だけでなく、ブビバカイン注射やバルーン腟拡張による括約筋損傷など。 2. ヒト外尿道括約筋および肛門挙筋におけるプロテオーム解析 ヒト外尿道括約筋におけるマイオスタチンの発現を調べるために抗マイオスタチン抗体を用いてヒト外尿道括約筋の薄切標本を免疫染色したところ横紋筋特異的に発現が認められたがマイオスタチンは外尿道括約筋に発現する蛋白ではない。このためわれわれは外尿道括約筋に特異的に発現すタンパクをの同定を肛門挙筋と比較して同定することを試みた。 インフォームド・コンセントの得られた前立腺全摘および膀胱全摘症例より前立腺尖部に付着する外尿道括約筋、および肛門挙筋を微量採取しイソペンタン下に急速冷凍し、10μm厚の連続薄切標本を作製、一部はHE染色、ATPase染色を行い、TYPE1線維、TYPE2線維を区別、一部をトルイジンブルー染色し、Laser Microdissection(AS LMD)を用いて外尿道括約筋および肛門挙筋のType1, Type2線維をタンパクを回収した。 次いでCyDye DIGE Fluor saturation dyesを用いたシステイン残基の飽和標識法にて、内部標準および横紋筋サンプルをそれぞれCy3およびCy5で標識し、Immobiline DryStripを用いたEttan IPGphor IIによる等電点電気泳動の後、SDS-PAGEでの電気泳動を行った。次いで二次元電気泳動ゲルのシグナルをEttan DIGE Imagerで取り込み、Image Quant TLで処理した後、Image Master 2D Platinum DIGE Softwareにより解析し、外尿道括約筋と肛門挙筋をType別に比較し発現が異なるスポットをカウントした。 検討した3例においてRSで特異的に発現を認めたスポットは、typelでは5個、type2では10個であった。また、LAでの特異的発現部位はtypelでは7個、type2では4個であった。 今回の検討では回収したタンパク量が少ないためタンパク同定までは行えなかった。回収タンパク量を増やすためには採取量を増やすと同時にLaser Microdissectionにて目的筋線維を切り出した後の速やかなdenature bufferでの処理が必要となる。また回収タンパク量が少ないと思われ質量分析に十分なタンパク量が得られない可能性がある。この場合は筋線維型で分別せずにType 1,2を合わせて解析を行うことも考慮している。
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