2009 Fiscal Year Annual Research Report
サイクリン依存性キナーゼインヒビターp57の前立腺癌ホルモン耐性獲得への関与
Project/Area Number |
20791118
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
永田 大介 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 研究員 (20336689)
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Keywords | 前立腺癌 / 細胞周期 / p57 / サイクリン依存性キナーラセインヒビター |
Research Abstract |
アンドロゲン受容体はステロイド受容体に属する核内受容体でアンドロゲン依存性に前立腺癌の発生、増殖に関与している。前立腺癌や同じホルモン依存性癌である乳癌ではサイクリン依存性キナーゼインヒビターの発現が癌の悪性度や予後との関連が報告されている。細胞周期の負の制御因子であるサイクリン依存性キナーゼインヒビターに着目した。前立腺癌のホルモン耐性機構を解析するためにアンドロゲン依存性前立腺癌細胞株LNCaPを長期間アンドロゲン非存在下で継代培養し,アンドロゲン非依存性LNCaP(LNCaP-HR)を樹立した。サイクリンE、サイクリンD1はLNCaP-HRでLNCaPの約2~4倍発現しており、サイクリン依存性キナーゼインヒビターであるp27、p57の発現はLNCaPよりLNCaP-HRで低下していた。なかでもp57の発現に関してはLNCaPで認められた十分な発現がLNCaP-HRでは消失していた。前立腺組織免疫染色では、サイクリン依存性キナーゼインヒビターであるp27、p57の発現が前立腺正常組織と比較して前立腺癌組織では低下していた。また、ホルモン耐性となった前立腺癌組織ではp57の発現が殆ど認められなかった。一方、同様の核内受容体であるPPARγ(Peroxisome Proliferator-Activated Receptorγ)は前立腺癌組織内での発現が高く、そのリガンドであるProstaglandin J2やTroglitazoneにより前立腺癌細胞の増殖は抑制された。これまでの研究で、アンドロゲン非依存性前立腺癌細胞株LNCaP-HRや前立腺癌組織内で発現が低下したサイクリン依存性キナーゼインヒビターp57、及び前立腺癌組織内で高発現していた核内受容体PPARγは前立腺癌のホルモン耐性機構、前立腺癌の増殖抑制に影響を与える重要な因子と考えられた。
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