2008 Fiscal Year Annual Research Report
進行性腎細胞癌に対する活性型ビタミンD3による抗腫瘍効果の解明と個別化医療の提供
Project/Area Number |
20791120
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
小原 航 Iwate Medical University, 医学部, 講師 (90337155)
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Keywords | 進行性腎癌 / 活性型ビタミンD / 個別化医療 |
Research Abstract |
(1)ヒト腎癌細胞株を用いたビタミンD代謝酵素の発現検討 腎癌培養株(Caki-1, Caki-2, ACHN)におけるビタミンD代謝酵素(CYP27A1、CYP27B1、CYP24)遺伝子の発現検討を行った。1, 25(OH)2D3(10-7〜10-9M)投与後, 24時間, 48時間, 72時間でtotal RNAを回収し、cDNAに変換後CYP27A1, CYP27B1, CYP24の発現をRT-PCRおよびreal-Time quantitative PCRにより確認した。 腎癖細胞株(Caki-1、Caki-2、ACHN)におけるCYP37A1およびCYP27B1は、1, 25(OH)2D3投与によって発現低下傾向にあった。一方、CYP24は1, 25(OH)2D3投与により濃度依存性に発現が上昇した。 CYP24は1, 25(OH)2D3投与により濃度依存性に発現が上昇し、vltaminD3投与による代謝経路の活性化が示唆された。 (2)多施設共同研究による進行性腎癌に対する活性型ビタミンD3製剤の抗腫瘍効果に関する検討(論文掲載) 16名の進行性腎癌患者に対して、インターフェロンαと活性型ビタミンD3を投与し抗腫瘍効果を検討した。4名(25%)の患者でPRを呈した。平均癌特異的生存期間は45ケ月であった。1名のみ高カルシウム血症を認めたがその他に重篤な有害事象を認めなかった。初診時に転移を有することと平均年齢より高いことは予後不良因子と考えられた。進行性腎癌に対する活性型ビタミンD3投与は認容性があり抗腫瘍効果が期待できる。
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