2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋間質由来幹細胞を用いたラット尿道括約筋及び神経血管束の再生・再建
Project/Area Number |
20791122
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
星 昭夫 Tokai University, 医学部, 助教 (90453711)
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Keywords | 神経因性膀胱 / 血管 / 神経束 / 膀胱内圧 |
Research Abstract |
本研究は骨格筋間質由来幹細胞の持つ、筋肉・血管系・末梢神経系細胞への分化能及びその再構築能を根治的前立腺全摘除術々後合併症である尿道括約筋及びその周囲に存在する神経血管束の損傷回復に利用する、即ち、自己の体性幹細胞移植治療で再生さようとするプロジェクトである。昨年度、SDラット及びヌードラットを用い実験的尿道括約筋・神経血管束損傷モデルを作成し、GFPトランスジェニックマウス及びラットから得た、骨格筋間質由来幹細胞(Sk-34細胞、Sk-DN細胞)を移植した。その結果、移植細胞は損傷した尿道周囲の括約筋群を再構築すると同時に、尿道壁及び周囲の血管、さらに周辺断裂神経のミエリン再構築を行った。加えて、in situの電気刺激を用いた尿道括約筋の収縮能を検討したところ、細胞移植群で飛躍的な回復(80%、対照群は40%)が示したことを報告した。これらの成果は、骨格筋間質由来多能性幹細胞が生体内で場所を変えても(骨格筋内から尿道周囲)筋肉・血管・末梢神経をユニットとして再構築できる細胞であることを示していると同時に、自家細胞移植治療の細胞ソースとして、根治的前立腺全摘除術々後合併症である尿道括約筋及びその周囲に存在する神経血管束の損傷回復に利用できる体性幹細胞であることを示していた(Hoshi A et al., Transplantation 85:1617-1624,2008)。本年度は同様にラットの実験系を用いてさらに発展的に、その他の下腹部臓器である膀胱周囲の血管・神経束に応用した。即ち、膀胱周囲の血管・神経束を損傷し、実験的神経因性膀胱モデルを作成、その機能再建に応用した。その結果移植細胞は、膀胱周囲の血管・神経束を活発に再生し、電気刺激を用いた膀胱収縮機能の測定にいても、画期的な回復(約80%、対照群23~27%)が示された。これらの結果は、骨格筋間質由来幹細胞移植が腹腔内血管・神経網の再建に極めて有効であることを示していた。
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