2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791126
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
三木 淳 Jikei University School of Medicine, 医学部, 助教 (00328361)
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Keywords | 前立腺癌 / 癌幹細胞 |
Research Abstract |
近年の癌研究において、癌組織が正常の幹細胞システムに似た階層構造によって成り立っている"癌幹細胞(cancer stem cell)"という概念が注目されている。癌組織の中からこの癌幹細胞に相当する細胞を探し出すことは、癌化、再発、転移のメカニズムを知ることに大きく貢献する。特に、進行性の前立腺癌に対する現行のホルモン療法には耐性があり、癌幹細胞研究はこうしたホルモン療法に対する再燃癌のメカニズム解明はもちろん、新たな癌治療開発にも役立つ重要な研究である。 In vitro実験として、我々は、hTERT組み込みレンチウイルスベクターを作成。初代培養細胞に、レンチウイルスベクターを用いたhTERT遺伝子導入を行い、15継代まで培養可能な細胞株を得た。そして、それらの細胞学的特性について検討した。 また、これまでの前立腺癌幹細胞研究の多くは、in vitroでのもので、in vivoにおいて、前立腺癌幹細胞の性質は明確に証明されてはいない。当研究室では、前立腺癌の皮膚転移巣より摘出した組織を用いて、アンドロゲン依存性前立腺癌のマウスモデルJDCaPを樹立した(The Prostate, Kimura T.2009July,69:1660-1667)。このマウスモデルを用いて、癌組織から癌幹細胞を分離することを試み、これら細胞の幹細胞様性質について検討した。JDCaPの癌組織を構成する癌細胞群において、そのコロニー形成能、分裂速度、表現型(細胞表面マーカー、サイトケラチンなど)はheterogenousな細胞集団から構成されており、それらの性質は癌幹細胞様の働きを担っている可能性が示唆された。 今後、より詳細な研究、考察が必要なのは言うまでもないが、我々の癌幹細胞の実験モデルが、癌幹細胞研究において重要な役割を果たすものと確信している。
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Research Products
(1 results)