2009 Fiscal Year Annual Research Report
高密度DNAチップを用いた雄核発生胞状奇胎ゲノムのコピー数変化解析
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20791133
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
加来 博志 Chiba University, 大学院・医学研究院, 協力研究員 (40456059)
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Keywords | 胞状奇胎 / コピーナンバー多型 / 続発症 / 侵入奇胎 / LOH / マイクロアレイ / 遺伝子増幅 / 雄核発生 |
Research Abstract |
遺伝学的全胞状奇胎は2倍体、雄核発生、p57KIP2染色陰性の特徴を有している。全胞状奇胎の約10-20%に続発症が生じるが、全胞状奇胎のどの症例が侵入奇胎になるのかを予測する方法はない。侵入奇胎は、発症時期・hCG産生能・化学療法に対する感受性・転移の好発部位などの点で、生物学的に均一な特徴を有する。また10-20%と一般の新生物に比べ高頻度で発症することから、侵入奇胎と経過順調型全胞状奇胎との間には妊娠成立時から何らかの生物学的差異があると推定している。肉眼的に胞状奇胎と診断された25症例の奇胎組織・本人リンパ球からゲノムDNAを抽出し、プロメガ社Powerplex16 systemを用いてgenotypingを行った。24例は雄核発生奇胎(21例は雄核発生1精子受精、3例は雄核発生2精子受精)であることを確認した。本年度は、昨年8例(経過順調型4例、続発症4例)に対して行ったAffymetrix社高密度SNPsアレイのデータを解析した。Genotyping Consoleソフトウェアにより続発症例と経過順調型との間でcopy number多型、LOH、遺伝子増幅などを全ゲノムレベルで比較検討した。同時に胞状奇胎例とコントロールゲノムデータ(270HapMap Reference)の比較し胞状奇胎または続発症例に特異性のあるcopy number多型、LOH、遺伝子増幅領域の検索を行った。続発症例で特異的に遺伝子増幅が見られた領域が全ゲノム中に2箇所あった。今回解析した8症例以外の胞状奇胎例(30例)に対して、これら2箇所の遺伝子増幅と続発例の関連があるかを現在検討している。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] 雄核発生胞状奇胎および絨毛癌培養細胞におけるKvDMRのメチル化状態の解析2009
Author(s)
碓井宏和, 木原真紀, 中田恵美里, 鶴岡信栄, 加来博志, 平敷好一郎, 楯真一, 加藤一喜, 田中宏一, 三橋暁, 松井英雄, 生水真紀夫
Organizer
第61回日本産科婦人科学会学術講演会
Place of Presentation
国立京都国際会館
Year and Date
2009-04-04