2008 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣がん治療の個別化を目指した卵巣がんにおけるがん幹細胞の同定
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20791135
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
楯 真一 Chiba University, 大学院・医学研究院, 助教 (00322636)
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Keywords | 卵巣がん / 化学療法 / がん幹細胞 |
Research Abstract |
進行卵巣がんでは、optimal surgeryと化学療法によりCRが得られた場合でも再発してくる症例を経験する。これには、化学療法耐性のいわゆるcancer stem cellが関与していると考えられている。すなわち、化学療法により大部分の腫瘍細胞がapoptosisやnecrosisに陥り消失するが、その中で薬剤耐性を有するstem cellが周囲の繊維化や硝子化による低酸素環境下に耐えて生き残る。その後、ゆっくりと増殖し、やがてheterogenousな腫瘍細胞へ分化して臨床的再発にいたると考えられている。したがって、このcancer stem Gellを標的とした診断治療が、進行卵巣がんにおいて重要な鍵となる。現在までに我々は、進行卵巣がんにおける寛解導入化学療法後の腹水細胞診陰性例の予後が良好であることを報告してきた。最近、卵巣癌のcancer stem cellはCD133陽性であることが報告された。そこで、このCD133抗原を補助マーカーとして判定した場合の腹水細胞診により、再発をより正確に予知できるかどうかを研究目的とした。化学療法中に腹腔内リザーバーを用いて洗浄腹水細胞診検査を行い、細胞診陰性化を確認後IDSを行い完全切除をおこなっている。平成20年度、進行卵巣がん患者に対して腹腔内留置リザーバーを設置し、9例中8例(88.9%)の患者が初回治療から平均25.4週にて腹水中にがん細胞の消失を確認し、完全手術を施行することができた。しかし、摘出病理標本では肉眼的には同定することのできない微小な癌細胞が、9例中8例(88.9%)で確認することができた。連続して得られたがん細胞が含まれる腹水中の検体の一部を遠心分離し沈殿物を保存液(CytoRich RED Preservative Fluid)を用いて保存した。抗がん剤によって誘導された薬剤耐性の性格を有するがん細胞の抽出をすることができた。われわれは、これらがん細胞ががん幹細胞の性格を有していると考えており、現在、腹水および切除腫瘍標本からCD133陽性細胞の分離を試みている。
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Research Products
(1 results)