2008 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌のパクリタキセル耐性機序に関わる候補遺伝子の同定
Project/Area Number |
20791147
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
奥川 馨 Kyushu University, 大学病院, 助教 (90452789)
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Keywords | 癌 / 薬剤耐性 / 遺伝子 |
Research Abstract |
パクリタキセル耐性株の樹立 : 2x10<6>^個のOVMG1細胞をヌードマウスの皮下に移植し、皮下腫瘍の平均直径が10mmになった時点で40mg/ kgのパクリタキセル(PTX)を尾静脈より静注した。24時間後皮下腫瘍を摘出しミンスして別の新しいヌードマウスの皮下に継代移植した。以上の操作を6ヶ月以上にわたり6回繰り返し、in vivo樹立PTX耐性株OM1/Tvivoとして樹立し、培養維持した。OVMG1親株をPTXを含まない溶媒を用いて上記と同様にマウス内で6回継代してin vivo樹立対照株OM1/Cvivoを樹立した。 増殖能、薬剤耐性能の評価 : 単層培養条件下におけるOM1/Tvivo、OM1/Cvivoの細胞倍加時間はそれぞれ26.1、23.7時間であった。in vivoにおけるOM1/Tvivoの増殖能はOM1/Cvivoに比べ有意に高く、腫瘍倍加時間はそれぞれ11.1日と16.8日であった。治療によりOM1/Cvivo株の腫瘍倍加時間は16.8日から29.3日へと延長したが、OM1/Tviyo株の腫瘍倍加時間は1t1日から10.6日と変化しなかった。OM1/Cvivo株は40mg/kgのPTX投与により明らかな腫瘍増殖遅延を生じたが、OM1/Tvivo株の場合には腫瘍増殖抑制は生じなかった。WST-1アッセイを用いて、PTXに72時間暴露した後の生細胞率でin vitro薬剤感受性を評価した。10nMのPTXを暴露した後の生細胞率はOM1/Tvivo、OM1/Cvivoの各細胞間で差を認めなかったが、50nMないしはそれ以上の濃度ではOM1/TvivoとOM1/Cvivoが共に同様の減衰曲線を示しながら明らかな生細胞率の減少を示した。OM1/Tvivo、OM1/CvivoのPTXに対するIC_<50>はそれぞれ81.0、79.6nMであった。
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