2009 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌のパクリタキセル耐性機序に関わる候補遺伝子の同定
Project/Area Number |
20791147
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
奥川 馨 Kyushu University, 大学病院, 助教 (90452789)
|
Keywords | 癌 / 薬剤耐性 / 遺伝子 |
Research Abstract |
コロニーフォーミングアッセイによるin vitro薬剤感受性の評価:コロニーフォーミングアッセイを用いて、パクリタキセル(PTX)に24時間暴露した後のコロニー形成に関するsurviving fractionでin vitro薬剤感受性を評価した。5から500nMのPTX暴露後、OM1/TvivoとOM1/Cvivo株は共に同様のコロニー形成能の抑制を表す曲線を示した。一方、OM1/Tvitroは浅い傾きのsurviving fraction-薬剤濃度曲線で示されたように高い薬剤抵抗性を示し、500nMのPTXに対してもコロニー形成能は障害されなかった。OM1/TvivoとOM1/Cvivoのsurviving fractionに比較してOM1/Tvitroは500nMのPTXに対して約7,500倍の抵抗性を示した。 腫瘍組織内の薬剤濃度:40mg/kgのPTX静注後のOM1/TvivoとOM1/Cvivoの腫瘍組織内PTX濃度を測定した。OM1/Tvitroの腫瘍組織内薬剤濃度は強く抑制されたその造腫瘍能のため評価することができなかった。PTX静注後24時間後と48時間後のOM1/Tvivo腫瘍内薬剤濃度はOM1/Cvivoに比し有意に低かった(p<0.01)。PTX静注48時間後にはOM1/Tvivo腫瘍内薬剤濃度はOM1/Cvivoの約1/3であった。 培養細胞内の薬剤濃度:OVMG1由来亜株の培養細胞内のPTX濃度を測定した。皮下腫瘍組織内薬剤濃度では明らかな差を認めたにもかかわらず、OM1/TvNo細胞とCM1/cvivo細胞のPTX濃度に差を認めなかった。OM1/Tvitro細胞内のPTX量はOM1/TvivoやOM1/Cvivoに比較して暴露の開始から2時間後と4時間後にはそれぞれ約12%と4%であった。
|