2008 Fiscal Year Annual Research Report
母体血中胎児DNAが自己免疫疾患の原因か?ーマイクロキメリズムからのアプローチ
Project/Area Number |
20791150
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山崎 健太郎 Nagasaki University, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90380899)
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Keywords | マイクロキメリズム / 自己免疫疾患 / 強皮症 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は、自己免疫疾患患者血清中のキメラ細胞由来のDNAおよびmRNA流入量を定量し、マイクロキメリズムと自己免疫疾患の関連を明らかにすることである。そのため、長崎大学医学部・歯学部附属病院の皮膚科および内科膠原病班の協力を得て、自己免疫疾患患者の検体約50例を採取し集積した。 検体の採取においては、核酸の劣化、断片化を防ぐためDNAについては採取当日に血清分離を行い、-80℃のディープフリーザーで保管を行った。採取時から経時的に劣化するRNAに関しては、採血直後からRNAの劣化を防ぐ安定剤を含む、PAXgene RNA採血管(Becton, Dickinson and Company)を用いて採血を行った。患者血清中からDNAの抽出はQIAgen DNA miniKit(QIAgen)を用いて行った。RNAについてはPAXgene RNA Kit(QIAgen)を用いて抽出した。 集積した症例について、DNAについてDSY1遺伝子およびSRY遺伝子をターゲットとしたTaqManプローブを作成し、Roche Applied Science社のLightCycler 480で定量的PCRを行った。その結果、現在までのところ強皮症症例の約25%にマイクロキメリズム由来のDNAが検出された。強皮症以外の自己免疫疾患およびからは今までのところ、マイクロキメリズム由来のcf社DNAは検出されていない。この結果、強皮症にはマイクロキメリズムの強い関与が考えられた。 今後、マイクロキメリズムが存在した例を中心にキメラ細胞由来のmRNA流入量を測定する予定である。
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