2009 Fiscal Year Annual Research Report
習慣流産患者における抗リン脂質抗体標的分子のプロテオミクス
Project/Area Number |
20791171
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
峯 克也 Nippon Medical School, 医学部, 助教 (60409216)
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Keywords | プロテオミクス / 習慣流産 / 抗リン脂質抗体 / 不育症 |
Research Abstract |
抗リン脂質抗体症候群は近年習慣流産の原因の一つとして注目されている。さらに、抗リン脂質抗体は、習慣流産のみならず血栓症、妊娠高血圧症候群、子宮内胎児発育遅延にも関連することが知られており、その臨床像は極めて複雑である。個々のリン脂質抗体の病原性の相違は、標的となるリン脂質結合タンパクのタイプに依存していると考えられる。最近ではキニノーゲンを抗原とする抗フォスファチジルエタノールアミン(PE)抗体など、習慣流産に関与する他の抗リン脂質抗体も報告されており、原因不明とされる習慣流産症例には未知の抗リン脂質抗体とリン脂質結合血漿タンパクが関与している可能性が示唆され、習慣性流産の病態メカニズムの解明には、これらの標的分子群に対する包括的なアプローチが要求される。本プロジェクトではプロテオミクスの手法を導入し、リン脂質結合性血漿タンパクプロファイルの解析を行い、抗リン脂質抗体標的分子群の網羅的探索を行った。 国際抗リン脂質抗体シンポジウムの診断基準案に該当する患者を対象に血液を採取し、分離血漿を保存した。同時に臨床データを明確化し保存血漿のデータバンクを作成した。さらに、データのコントロールとして正常者の血漿も採取した。 リン脂質結合性血漿タンパク抽出のために、細胞膜成分に含まれるリン脂質で固相化したプレートを作成した。抗リン脂質抗体陽性血漿を注入し、リン脂質結合血漿タンパクをリン脂質プレートに吸着させ、ターゲットタンパクの分離を行い、分離されたタンパクを二次元電気泳動に展開し、タンパクのスポット化、質量分析計によるタンパクの同定を行なった。
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Research Products
(3 results)