2008 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤特異的転写因子GCMa/1の発現調節機構の解明
Project/Area Number |
20791172
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
安井 裕子 Kinjo Gakuin University, 薬学部, 助教 (80434554)
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Keywords | 発現制御 / 胎盤 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
胎盤は哺乳類で受精卵から最初に分化してくる細胞系列で、胎児の発育にはまず胎盤の確立が必須である。GCMa/1は胎盤特異的に発現する転写因子で、母体と胎児の栄養分やガス交換に十分な表面積を与える分岐構造の形成に関与するなど、胎盤において重要な役割を果たしていることが示唆されている。GCMa/1の関与する分化カスケードに関する知見を深めることによって、現在明らかになっていないヒト胎盤の異常や、それに伴う前子癇,子宮内発育遅延(IUGR)などの病態の発症メカニズムを分子的に解明する手がかりになる可能性がある。正常な胎盤の発達や機能維持のため、GCMa/1の発現時期や発現量、局在は厳密に調節されていると予想されるが、その詳細はほとんど明らかとなっていない。そこで本研究では発現量の調節がどのようになされているか調べることを目的とした。ヒト胎盤由来の培養細胞を用いて、代表的なシグナル伝達経路を活性化する薬剤によりGCMa/1のタンパク質発現量に影響があるか調べたところ、発現量を増加させるものとしてフォルスコリン、減少させるものとしてホルボール-12-ミリステート-13-アセテート(PMA)があり、フォルスコリンの下流シグナル経路では、GCMa/1の発現にPKAが関わっていることが予想される結果となった。また、生理活性物質等によりGタンパク質共役受容体(GPCR)が活性化されることにより細胞内cAMP濃度が変化するので、GCMa/1の発現にGタンパク質シグナルが関与しているか恒常的活性化変異Gタンパク質を用いて検討したところ、Gsにより増加、Giにより減少した。今後、GCMa/1の発現を増加させる生理活性物質物を探索し、詳細なメカニズムを調べる。また、PMAは抑制的に働くと示唆されるのでその詳細なメカニズムと、増加させるシグナル経路との関係を明らかにしたいと考えている。
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