2008 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤由来細胞を用いた血管内皮細胞培養システムの確立
Project/Area Number |
20791174
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
牧野 初音 National Research Institute for Child Health and Development, 生殖・細胞医療研究部, 共同研究員 (90392498)
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Keywords | 生殖医療 / 発生・分化 / 発現抑制 |
Research Abstract |
本年度は下記の事項を重点的に行った。 (1)ヒト胎盤細胞の規格化 得られたヒト胎盤細胞に対して、網羅的発現遺伝子プロファイリング解析(Affimetrix社GeneChipによる解析)ならびに抗体を用いた免疫染色、および表面抗原解析を行った。使用する抗体には、血管内皮細胞マーカーとして知られているCD31、CD54、CD144、CD106、VEGF-R2(Flk-1)、Flt-1、動脈血管内皮細胞マーカー(CXCR4、CD44)等のマーカーを含む。また、新たなモノクローナル抗体作成による新規分子探索も開始した。血管新生関連分子については既知分子について発現様式を整理した。 (2)異種動物成分を排除した培養法・維持法の標準化(完全ヒト型培養システムの開発) ヒト胎盤より作成したヒト胎盤細胞を間葉系幹細胞の供給源とする。既に梅澤はdes4、H3-2およびUBET-15等10種類以上をヒト間葉系細胞として得ている。平成20年度に、少なくとも20例に対して新たなヒト胎盤細胞の分離・培養を行った。その際、ヒト血清ならびにヒト液性因子のみからなる培養法の開発を目指した。 (3)ヒト胎盤細胞を用いた治療基盤の確立 ヒト胎盤細胞の血管、神経、骨、軟骨、脂肪を初めとする多分化能検定、および独自システムの開発ならびに情報収集を行った。ヒト胎盤細胞の多分化能検定システムについては、細胞培養系での分化誘導法の決定と血管新生能の評価、および免疫不全動物(NOD/SCID/IL-2 γ-/-)への移植による生着、血管新生、機能発揮に関する検討を開始した。樹立したヒト胎盤細胞に蛍光遺伝子を導入することで、移植したヒト胎盤細胞の生体内での挙動を把握した。
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