2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791179
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中谷 和弘 Tohoku University, 病院, 助教 (60466563)
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Keywords | RNAi / 内リンパ水腫 |
Research Abstract |
ラットの内リンパ嚢を回収し、AQP2の発現をmRNAレベルで測定するとともに、組織学的にも発現部位、発現強度を調べる実験を開始し、条件・環境設定の最適化を行っている。この基礎データをもとにして、in vitroでのAQP2 RNAi投与時のAQP2の発現抑制と関連遺伝子の発現の変化を観察する。Vasopressin type 2 receptor(V2-R)はAQP2との関連を指摘されている。V2-RはAQP2を制御しているとの報告もあるので、V2-RをノックダウンするとAQP2が減少することが予想される。Vasopressin、V2-R、AQP2の関連についてもそれぞれについて同様の手技をもちいて、測定する。また、AQPチャネルは10種以上存在し、それぞれの内リンパにおける機能はほとんど解明されていないため、それぞれのAQPチャネルをノックダウンできるような、実験系を準備する。以上の予備実験により、内リンパ嚢に発現し、内リンパ水腫に関与しているとおもわれるチャネルの測定できる実験系を確立する。 次段階としては、in vivoでそれぞれのRNAiを投与して、内リンパ水腫の発生が起こるような条件を確立し、そのときの関連タンパクの発現を検証する。これらの実験を行うことで、比較的有病率が高く、根治的な治療法が未だ解明されていないメニエール病の本態である内リンパ水腫のイオンチャネルの観点からの発生機序を解き明かすきっかけになると期待している。
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