2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791179
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中谷 和弘 Tohoku University, 病院, 助教 (60466563)
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Keywords | RNAi / 内リンパ水腫 |
Research Abstract |
Vasopressin type 2 receptor(V2-R)はAquaporin 2(AQP2)との関連を指摘されている。V2-RはAQP2を制御しているといわれており、メニエール病患者では血中Vasopressin濃度の上昇が認められているとの報告がある。今回我々は、発現mRNAを特異的に抑制することができるsmall interference RNA(siRNA)の技術を用いて、AQP2 mRNAを減少させることで、内リンパ水腫の治療に結びつく可能性があるのではないかと考え、以下の実験を行った。siRNA_AQP2をラットの蝸牛正円窓に留置し、48時間後に側頭骨を採取した。パラフィン包埋後に抗AQP2抗体を用いて蛍光顕微鏡下で観察すると、negative control_siRNAを留置したものと比較して、内リンパ嚢におけるAQP2の発現は減少していた。内リンパ嚢におけるAQP2 mRNAの発現の抑制程度については、Quantitative RT-PCR(qRT-PCR)により解析中である。qRT-PCRの実験においては、採取した内リンパ嚢への硬膜のcontaminationを完全に排除することが困難であった。Reissner's membraneの形態には差がなかった。以上より、内リンパ水腫モデルを作成した後に、siRNA_AQP2を留置し、内リンパ水腫に対する治療効果を確認することができれば、メニエール病におけるAQP2の重要性が確認でき、臨床における治療法の開発の足がかりになるものと期待できる。
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