2009 Fiscal Year Annual Research Report
スギ花粉特異的長期生存型B細胞の形成機構および維持機構の解明
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20791180
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
稲嶺 絢子 Chiba University, 大学院・医学研究院, 特任研究員(G-COE) (70466720)
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Keywords | アレルギー・ぜんそく / 免疫学 / 細胞・組織 / 発生・分化 / 遺伝子 |
Research Abstract |
スギ花粉症はIgE抗体を介して誘導される季節性のI型アレルギー疾患である。このような発症機序に深く関与する抗原特異的IgE抗体は血清中での半減期が2-3日と他のサブクラス抗体に比べても非常に短いのにも関わらず、スギ花粉症患者では花粉飛散期以外の時期においても血清中にスギ花粉特異的IgE抗体価が維持されている。この長期に渡る特異抗体維持機構は、長期生存型抗体産生(Long-lived Plasma)細胞が中心的な役割を担っていると考えられている。しかしながら、これらの細胞の分化経路についての詳細はまだ完全には明らかになっておらず、特にIgEクラスのLong-lived (LL-) Plasma細胞については、その存在さえも不明である。 昨年度の研究から、花粉症者の末梢血においてスギ花粉特異的IgE陽性B細胞はアレルギー患者では高親和性IgE抗体を産生するLL-Plasma細胞が優先的に分化誘導されており、その結果血中の高いIgE抗体価が維持されている可能性を推察した。また、アレルギー性鼻炎モデルマウスの解析から、アレルギー性鼻炎の発症後から主に頸部リンパ節に抗原特異的IgE産生細胞が認められたが、LL-Plasma細胞の主な局在場所として報告されている骨髄にはIgEのLL-Plasma細胞が認められなかった。これらのことから何らかの機序でIgEのLL-Plasma細胞が分化維持されることがアレルギー疾患の病因ではないかと推察した。 そこで、遺伝子操作マウスで血清中に高いIgE抗体価を有するIL-21のレセプター欠損(IL-21R-KO)マウスを免疫して経時的に、骨髄中のIgEのPlasma細胞やLL-Plasma細胞についてELISPOT法で解析したところ、どちらのマウスにおいても検出できなかった。しかし、予想に反してIL-21R-KOマウスではIgG1のLL-Plasma細胞も全く検出できなかった。この結果から、IL-21がLL-Plasma細胞の分化に重要であることが強く示唆されたため、IL-21におけるLL-Plasma細胞の産生機構およびIgEのLL-Plasma細胞の分化経路について詳細に解明している。
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Research Products
(2 results)