2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791181
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
千原 康裕 The University of Tokyo, 保健・健康推進本部, 助教 (20401060)
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Keywords | 前庭 / 耳石器 / 神経生理学 / パッチクランプ / めまい平衡 / VEMP |
Research Abstract |
平衡障害、めまい疾患の中で末梢前庭障害が大きな割合を占める。本研究は末梢前庭の神経生理学的研究を行い治療の進歩につなげる。臨床面で新しい耳石器機能検査(oVEMP検査: ocular vestibular evoked myogenic potentials検査)の開発をすすめ、動物実験では、前庭神経節細胞の膜特性についてパッチクランプ法を用いた解析を行った。平成21年度は臨床研究において、気導音刺激および骨導音刺激に対するoVEMPの周波数特性を明らかにした(Chihara et al, Neuroreport 2009)。本結果は、今後の臨床応用に際して、刺激周波数の選択をする際に重要な基礎になると考えられる。これに付随した研究として、前庭神経炎症例を用いた研究で骨導音oVEMPの神経起源が上前庭神経系にあることを示し、新しい前庭機能検査としての可能性を示した(Iwasaki, Chihara, et al.Clin Neurophysiol 2009)。また、基礎研究として、平成21年度はBDNFノックアウトマウスにおける前庭神経節細胞の発火特性変化につき明らかにし、これを学術誌に発表した(Chihara et al.Neuroreport 2009)。これまで、主にシナプス入力の相違で形成されると考えられていた前庭神経のregularな発火とirregularな発火の違いが、神経栄養因子などによって制御される前庭神経節細胞そのものの膜特性に起因する可能性を示したものであり、前庭システム解明のための基礎となると思われる。
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