2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791186
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
松岡 伴和 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (30313810)
|
Keywords | アレルギー / 免疫 / ペプチド |
Research Abstract |
アレルギー性鼻炎をはじめとするアレルギー疾患において、特異的免疫療法は唯一治癒の可能性がある治療法として古くから行われてきた。近年、T細胞についてのみ反応性のある抗原ペプチドが複数発見され、これらを用いることにより、副作用のないペプチド免疫療法の可能性が示唆されている。スギ花粉抗原由来の抗原ペプチドの代表的なものを7種類作成し、スギ花粉症患者におけるスギ花粉抗原由来ペプチドとスギ花粉抗原タンパクに対するリンパ球の反応性の違いについて検討を行った。反応性は非常に個体差があり、抗原タンパクに対する反応を100%とした場合、7種類のペプチドでも80%くらいの反応性が認められるハイレスポンダーと、30%程度の反応性しか見られないローレスポンダーが存在することが分かった。そこで、アジュバントの検討として、抗原タンパクに対するリンパ球の反応を、乳酸菌を添加して行った検討した。スギ花粉症患者末梢血より樹状細胞を誘導し、スギ抗原のみあるいはスギ抗原と乳酸菌で刺激した後に同一患者のリンパ球に作用させると、スギ抗原のみで刺激した樹状細胞ではリンパ球から多くのTh2サイトカインが産生されるが、乳酸菌を添加するとTh1サイトカイン産生が亢進することが明らかとなった。スギ花粉症患者はもともとTh2優位な状態であるにもかかわらず、乳酸菌を樹状細胞に作用させることでTh1優位な反応が見られ、乳酸菌をペプチド免疫療法に併用することにより、アジュバントとして効果が期待された。
|
Research Products
(2 results)