2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791187
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
西尾 信哉 Shinshu University, 医学部附属病院, 研究員 (70467166)
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Keywords | 内耳 / マイクロRNA / 遺伝子発現パターン / 難聴 |
Research Abstract |
平成21年度は、前年度までに引き続き、12週齢と20週齢の加齢促進モデルマウス(SAM-Pl)と、その対象系統(SAMR-1)を用いて、マウスの蝸牛内のmicro RNAの発現解析を行った。聴性脳幹反応(ABR)による聴力測定の結果、20週齢のSAM-Plマウスでは老人性難聴の特徴である高音部の聴力低下を認めたが、12週齢のSAM-Plマウス、12週齢・20週齢り対象系統マウス(SAM-Rl)では老人性難聴が認められなかった。また、micro RNAの発現量の比較を行った結果、20週齢のSAM-Plの蝸牛においていくつかのmicro RNAの発現量が変化するのに対して、12週齢のSAM-Plマウス、12週齢・20週齢の対象系統マウス(SAM-Rl)ではmicro RNAの発現量がほとんど変化していないことを見出した。 発現量の変化したmicro RNAの中には、近年、魚類の側線の感覚細胞、眼に発現しており、マウス内耳では有毛細胞とらせん神経節にだけ発現するmicro RNAとして知られているmiR-183ファミリー(miR-96、miR-182、miR-183)が含まれていた。老人性難聴の表現型を示していた20週齢のSAM-Plマウスにおいて、老人性難聴を示さない12週齢のSAM-Plマウス、12週齢・20週齢の対象系統マウス(SAM-Rl)と比較してmiR-183ファミリーの発現量が約半分に減少していることが明らかとなった。この結果は、内耳に発現するmicro RNAの発現量の変化が、老人性難聴の原因となっている可能性を示唆しているものと考えられる。
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Research Products
(2 results)