2008 Fiscal Year Annual Research Report
fMRIと近赤外線酸素モニターを用いた嗅覚の中枢機構解明に関する研究
Project/Area Number |
20791192
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
土井 清司 Kobe University, 医学部・附属病院, 助教 (00379380)
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Keywords | fMRI / 近赤外線酸素モニター / 嗅覚中枢 |
Research Abstract |
嗅覚の高次な脳機能の解明には,においを感じている時の脳活動をリアルタイムに測定することが不可欠である。近赤外線分光法Near-infrared spectroscopy(NIRS)は、嗅覚中枢における酸化ヘモグロビン及び脱酸化ヘモグロビンの変化を通じて脳活動の評価が可能である。今年度は嗅覚中枢における酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビン、および全体の血流量を赤外線酸素モニター装置NIRO-120(浜松ホトニクス社製)を用いてリアルタイムに測定する実験を実施した。対象正常な嗅覚を有する13人の女子大学生とした。提示するにおいとしてはフェニルエチルアルコール(バラのにおい)とシトロール(レモンのにおい)を用い、被検者に間欠的に提示した(30秒間隔を5-10回反復)。被検者は匂いを感じれば手元のスイッチで応答を行い、同時にNIRSを用いて前頭皮質の測定を実施した。実験終了後に、被検者ににおいの強さと快不快を評価した。結果は、匂い提示中は酸化ヘモグロビンレベラルの上昇を認めた。(右前頭皮質 : 13人中9人左前頭皮質13人中4人)また、提示された匂いを快いと感じた人の左前頭皮質における酸化ヘモグロビンレベルは7人中4人で増加を認めたのに対して、不快と感じた6人では、全ての人で酸化ヘモグロビンの上昇を認めなかった。現時点で得られた結果から、においの検出には、右の前頭皮質の関連が示唆され、一方でにおいの認識(快・不快)には左の前頭皮質の関運が示唆された。
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