2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791194
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
片岡 祐子 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10362972)
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Keywords | 進行性難聴 / 遅発性難聴 / Auditory Neuropathy |
Research Abstract |
本研究の目的は「乳児期早期に見られることのある進行性難聴を、遺伝子診断によって正しく診断するための基礎的な研究」を行うことである。平成20年度の本研究の進行状況は以下のとおりである。 (1) 乳児期ないしは幼児期早期に進行性難聴・遅発性難聴を来たしたグループを臨床形態から細分類する。 岡山大学耳鼻咽喉科で人工内耳埋込み術を施行した小児例のうち、retrospectiveな解析により、進行性・遅発性難聴例についてその臨床像を調査した。それぞれのケースを分類し、聴力経過なども含め、臨床情報を整理した。現在このデータは既にまとめ、論文「Cochlear implantation in children with delayed/progressive hearing impairment」としてIJPORL投稿準備中準備中である。 (2) 難聴遣伝子解析の先進医療申請 すでに信州大学とBMLによって確立されているインベーダー法による難聴遺伝子変異スクリーニングパネルを用いて、既知の遺伝子変異の有無について検討する予定である。難聴遺伝子解析を開始する上で、先進医療としての承認が必要であり、現在倫理委員会へ申請中である。 (3) Auditory Neuropathy(AN)例の遺伝子解析 これまでのところ、AN例の本邦での報告は極めて少ない。当院ではAN兄弟例を経験しており、兄弟例第1子に対し、AN原因遺伝子であるOTOF遺伝子変異の有無の解析を行った。 (4) サイトメガロウイルス感染症の有無 進行性難聴を呈した児の中で、経過からサイトメガロウイルス感染症を疑う児に関し、既感染の有無の検査を施行している。陽性例で、研究および臍帯を提供に同意した場合にはその臍帯を用いて定量的PCRを行い、サイトメガロウイルスの遺伝子を同定することによって、先天性サイトメガロウイルス感染症の有無についても同時に検討を行う予定である。
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