2008 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚伝導路特異的細胞外マトリックスBral2による聴覚伝達維持機構の解析
Project/Area Number |
20791195
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
別宮 洋子 Okayama University, 医学部, 技術専門職員 (60397875)
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Keywords | 神経細胞周囲網 / リンクプロテイン / プロテオグリカン / 聴覚伝導路 |
Research Abstract |
(I) Bral2を中心とするCSPG複合体欠損が細胞外スペース(ECS)に及ぼす影響 Bral 2欠損マウスでは、CSPG複合体の崩壊とともにGAG鎖がストックできる水分子量が低下し、細胞をとりまくGAGのゲルが崩壊している可能性が考えられる。その結果イオンを神経活動の場にストックすることが出来ず、神経伝達に影響を及ぼす可能性が考えられる。従って、脳内の細胞外物質拡散係数(ADCwおよびADC_<TMA>)の計測を行った。まず、同様なメカニズムが働いているが、分子間相互作用がより単純であると考えられるBral1欠損マウスで計測した。その結果、Bral1欠損マウスでは拡散係数が有意に低下していた。即ち、細胞外での物質が拡散し易くなっており、GAGのゲルが崩壊していることが強く示唆された。その結果を踏まえて、Bral2欠損マウスの計測をおこなった。Bral2はBrel1に比べて相互作用する分子が多く、また神経核による違いも見られる。従って、もう少し個体数を加えて、更に正確なデータをとる必要がある。次年度は、個体数を増やして神経核ごとの違いなどを調べる予定にしている。 (II) Bral2欠損マウスにおける聴覚検査の測定 聴覚伝導路のある特定の神経核が障害を受けるのか、あるいは全ての神経核に障害が見られるのか、またその程度の度合いをBAEP他聴覚検査により調べた。この研究は、チェコ科学アカデミーのJosef Syka教授との共同研究により進行中である。その結果、Bral2マウスには、ある特定の周波数に聴覚障害があることがわかった。今後、更にその原因究明を進める予定にしている。 (III) Bralマウスの再作製及び繁殖 突然のマウス感染事故により当該マウスを再作製する必要に迫られた。既に再作製が終わり、順調に繁殖している。
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Research Products
(2 results)