2009 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚伝導路特異的細胞外マトリックスBral2による聴覚伝達維持機構の解析
Project/Area Number |
20791195
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
別宮 洋子 Okayama University, 医学部, 技術専門職員 (60397875)
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Keywords | 聴覚伝導路 / 細胞外マトリックス / 神経細胞周囲網 / プロテオグリカン |
Research Abstract |
(I) Bral2を中心とするCSPG複合体と伝逹に関わる分子等との関連 CSPG複合体は巨大分子のため機能ドメインが多く、多機能分子として知られるため、その役割についてはいくつかの可能性を探る必要性がある。今回、Bral2欠損マウスにおいて、この複合体を構成する分子の変化が神経核によって異なることを突き止めた。つまり、神経核によって複合体の形成様式が異なるのではないかという仮説が立てられる。 また、これらの局在の変化に伴って、タンパク量の発現が変化が見られるかどうかをウェスタンブロットにより検証したが、特に変化は見られなかった。 更に、聴覚伝導路に見られるチャネルであるKv3.1b及び、ペリニューロナルネットとともに発現が見られるパルブアルブミンの発現を調べた。これらについては特に発現に変化がなかったので、複合体はこれらの局在にとくに役割を果たしていないことがわかった。 (II) Bral2を中心とするCSPG複合体欠損が細胞外スペース(ECS)に及ぼする影響 Bral2欠損マウスでは、CSPG複合体の崩壊とともにGAG鎖がストックできる水分子量が低下し、細胞をとりまくGAGのゲルが崩壌している可能性が考えられる。その結果イオンを神経活動の場にストックすることが出来ず、神経伝達に影響を及ぼす可能性が考えられる。従って、脳内の細胞外物質拡散係数(ADCwおよびADCTMA)の計測を行う。まず、Bral2の発現箇所が聴覚伝導路と言う、物質拡散係数を計測しにくい場所にある。従って、より計測のし易いランビエ絞輸に発現するBral1欠損マウスの拡散係数を測ることで、Bral2のその役割を推し量ろうとした。その結果、Bral1欠損マウスでは、拡散係数が速くなる、即ちGAGのゲルが崩壊していると推測される結果が得られた。Bral1欠損マウスでは、神経伝導速度に異常が見られるため、CSPG複合体が微小環境調整に関わっているのではないか、という結論にいたり、論文化を図った(Bekku et al., J Neuroscience, 2010)。更に、現在、この結果をもとに、Bral2欠損マウスの拡散係数を計測中である。計測箇所に電極を打ち込むことが難しく、継続して計測個体数を増やしていく必要がある。 (III) Bral2を中心とするCSPG複合体がシナプス形成に及ぼす影響 (I)の結果を受け、CSPG複合体がシナプスの固定化あるいは安定化の役割を担っているのではないかと考え、電子顕微鏡での観察を行った。プレリミナリーに変化がある結果を得ることができた。
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Research Products
(5 results)