2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格における圧受容制御機構の解明:PPARγを介した真珠腫の新しい治療戦略
Project/Area Number |
20791200
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白土 秀樹 Kyushu University, 大学病院, 助教 (30398060)
|
Keywords | 先天性真珠腫 / 後天性真珠腫 / integrin / PPAR |
Research Abstract |
中耳真珠腫は発生の過程で中耳圧変化、特に中耳陰圧の影響を強く受けていることが知られている。真珠腫には先天性と後天性のものがあるが、先天性のものは比較的中耳陰圧の影響を受けていないと考えられており、もしintegrinが外圧の影響を受けているなら、両者に発現するintegrin関連分子に差がでることが予想される。以上をふまえて、中耳真珠腫における細胞形態変化に関する研究の次なるターゲットとしてintegrinに注目するに至ったのは、真珠腫でretinoic acidの作用点としてのPPARγが高率に発現し、さらに核内レセプターであるPPARγと生物学的に外界環境との接点であるβcatenin, integrinとの" クロストーク"を明らかにすることで、これまでの細胞骨格研究によって得られた知見を治療に応用できるのではないかと考えたからである。こうした研究背景を受け、今回以下のことを検討している。 1)真珠腫に発現するintegrin及びシグナル関連蛋白発現の差異(先天性真珠腫、後天性真珠腫) 2)中耳粘膜培養で陰圧環境で見られるintegrinシグナル発現の変化 3)真珠腫におけるPPARγからintegrinへのシグナル伝達の解明(inside-outシグナル、 outside-inシグナル)現在臨床症例を免疫組織科学的に解析検討し、integrinの発現様式を解明した。また、陰圧環境下における下流シグナルの変化を検討した。 上記データをもとにさらに解析を進めている。
|