2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791206
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田中 紀充 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (90404483)
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Keywords | 鼻アレルギー / マウスモデル / 粘膜免疫 / Th1 / Th2バランス / 分泌型IgA |
Research Abstract |
感作前PC経鼻投与によるアレルギー発症への影響 PC-BSAを週1回3週にわたって経鼻投与した後に、週1回3週にわたり抗原(OVA)を腹腔投与し感作の後、7日間連日の抗原経鼻投与にて鼻アレルギーマウスを作成した。アレルギー症状、鼻粘膜への好酸球浸潤、血清totalIgE、抗原特異的IgEをELISA法にて測定した。脾臓のCD4陽性T細胞をMACS法にて分離採取して、抗原刺激によるサイトカイン(IFN-γ、IL-4)産生能をELISA法にて測定した。PC前投与によって、アレルギー症状の抑制が認められた。血清中tota1IgEは、PC前投与によって上昇が抑制された。Th1/Th2サイトカイン産生を,脾臓CD4陽性T細胞のOVA刺激によるIL-4とIFN-γ産生を調べたところ,コントロールと比べて有意にPC前投与でIL-4産生抑制を認めた。IFN-γについては、コントロールと比べて有意差は認めなかった。脾臓CD4陽性T細胞の定量PCRでは,コントロールと比較してPC前投与群でIL-4mRNAの発現低下を認めた。PCを用いて経鼻免疫することでIL-4産生を抑制し,Th2型免疫応答が抑制されたと考えられた。また,IgE高値の鼻アレルギーマウスモデルにおいて,経腹腔PC投与によりIgE産生を抑えることができた。グラム陽性及び陰性細菌の共通構成成分であるPCはCD4陽性T細胞に作用しTh1/Th2バランスを変化させ、アレルギー発症が抑制される可能性が示唆された。 尚、当初予定していた鼻アレルギーマウスモデルを用いた舌下免疫療法のメカニズムを考察するに至る有意な実験データは得られず今後の検討課題である。
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