2010 Fiscal Year Annual Research Report
小児アレルギー性鼻炎の発症および重症化の寄与因子の検討?早期介入への戦略
Project/Area Number |
20791209
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
金泉 悦子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (60404688)
|
Keywords | 鼻アレルギー / 小児 / 早期介入 |
Research Abstract |
本研究は乳幼児のアレルギー性鼻炎発症に至るまでの遺伝的・環境的背景・局所組織所見等を検討することで、気管支喘息など他のアレルギー疾患の合併発症や鼻炎そのものの重症化の訴因の予測をすることが目的であり、それらの検討が乳幼児アレルギー性鼻炎におけるearly interventionをいつから・どのように行うかの指標となる。 乳幼児を出生時・定期健診時を基準ポイントとした各期に分類し、その都度経時的に鼻汁を採取し、鼻汁中の好酸球・好中球の染色を行った。対象児においては保護者の同意のもと遺伝的・環境的背景、上気道炎など感染の既往や他のアレルギー疾患の発症など、それまでのエピソードの項目を調査・集計中し、鼻汁染色結果との相関の検討をおこなっているが、吸入抗原が陰性であっても鼻汁好酸球の増加の月齢が早いほど、その後の気道アレルギーの発症が高い傾向にあった。 しかし、本研究は小児鼻アレルギー発症の経時的変化を長期間に観察する前向き研究であり、これまで行った乳幼児期のデータは、小児各々のこれからのアレルギー疾患発症における指標となる。対象例は本研究期間中では、まだアレルギー性鼻炎をはじめ、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患を発症していない症例も多く、発症していてもアレルギー性鼻炎については症状が軽度である。今後、幼児期~学童期となり感作抗原の増加や重症化が予想されるため、ひきつづき小児の動向を観察し、今回得られたデータを元に小児アレルギー性鼻炎の発症・重症化に寄与する因子を見い出し、早期介入方法・時期に対する対応への手がかりとしたいと考える。
|
Research Products
(3 results)