2010 Fiscal Year Annual Research Report
側頭骨中の音波伝搬シミュレーション -超音波補聴器の最適化設計のために-
Project/Area Number |
20791218
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
長谷 芳樹 神戸市立工業高等専門学校, 電子工学科, 講師 (60448769)
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Keywords | 超音波 / シミュレーション |
Research Abstract |
可聴音が全く聞こえない最重度難聴者であっても,超音波を語音で振幅変調すると語音が弁別できる場合がある。この現象を用いた補聴システム(骨導超音波補聴器)の開発が進められているが,いまだその知覚部位や聴取メカニズムは解明されていない。音の知覚に最も関連が深い側頭骨内を含む体内各部の音圧・応力分布が明らかになれば,骨導超音波補聴器の実用化などに大きく寄与することができる。研究代表者らのグループでは,これまで海綿骨・皮質骨・骨髄を伝搬する超音波の挙動や,頭部内音場分布,3次元の人体の全身モデル等について,モデルの構築とシミュレーションおよび実測により詳細な検討をおこなってきた。 これらのために独自に微細構造を持つ弾性体中の音波伝搬シミュレーションソフトウェアを開発してきたが,現時点ではシミュレーション技術は完全なものではなく,細部においては実測結果との比較検討が必要な段階であることも事実である。特に,側頭骨や海綿骨のような複雑な構造を持つ媒質や,軟骨のような柔らかい媒質内での挙動は実測値との乖離が比較的大きく,より詳細なモデル構築と精密な評価手法が要求される。本年度は,複雑な構造を持つ材料中を伝搬した超音波波形の解析手法等について検討をおこなった。受波波形をウェーブレット解析により分析してスカログラム上で関数フィッティングをおこなうことにより,材料の特徴(密度など)と高い相関を持つ指標を新たに提案した。また,異方性のある材料を伝搬した超音波の可視化などについても検討をおこない,有用な知見を得た。 また,これと並行して,骨導超音波の知覚メカニズムの解明と補聴器の実用化に向けて,特に母音聴取時の脳活動の測定なども進めた。
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Research Products
(10 results)