2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒアルロン酸・コラーゲン混合シートによる損傷声帯での狭窄,瘢痕化防止の試み
Project/Area Number |
20791225
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
清野 由輩 Kitasato University, 医学部, 助教 (00406951)
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Keywords | 瘢痕声帯 / コラーゲン / ヒアルロン酸 / 3次元画像 |
Research Abstract |
コラーゲンの熱変性する性質を利用してヒアルロン酸,コラーゲン混合シートを作成する手法を取得した.作成したシートを8週令のSDラットの腹部に作成した島状の剥離創に適用し,創傷治癒を促進する効果があることを確かめた.さらに将来的にこのシートを声帯に適応する予定であるので,7~8週wistarラットの声帯の水平断のプレパラートを作成し組織学的検討を行えることを確認した.またラットの喉頭微細手術を行う手法を検討した.具体的にはネンブタールにて全身麻酔を行ったラットの喉頭を顕微鏡下に観察できる開口器と手術台を作成した.これを用いてラットの声帯を明視下に置き,熱した白金棒にて声帯に熱傷を作り,その後2,4週後に同様に観察し,声帯の前連合にwebが形成されたモデルラットを作成できることを確認した.さらに瘢痕形成の主要な役割を果たす線維芽細胞を培養しシートによる線維芽細胞の動態への影響を検討する手法を習得した.ラットの損傷声帯にヒアルロン酸,コラーゲン混合シートを適用し,コントロールのwebが形成された声帯との相違点を,物性的に検討しようとしたが手技的に困難で,3次元画像を用いた形態学的な検討を行った.これまで動物実験での声帯の物性研究はイヌによる報告がほとんどでラットの喉頭微細手術下での研究は少ない.また声帯への人工材料を適応する研究は声帯への注入法が中心で,癒着や瘢痕化を予防する効果が期待できる材料を外から貼り固定するという手法は見られない.声帯の注入法と異なり左右声帯の間に材料を留置し癒着を直接防止できるという点で本研究の優位点があると考えられる.
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